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「光里……っ」
「私、寂しかった……! 葵くんのこと、大好きなはずなのにどこか憎らしくて、嫉妬して怒ってほしくて……! だから、他の男の人と関係持ったのも半分以上は葵くんへの当て付けだった! それでも結局、葵くんは私を引き止めてもくれなくて、私たちは別れたんだよ……」
当時の自分には、とても理解できなかった女心。
今なら、なんとなくわかるような気がした。
「でもね、私……あれから誰と付き合ってもあなた以上に誰も好きになれなくて、やっと気づいたの。私、本当は浮気もしたくなかったし、葵くんと別れたくなんかなかったのにって!」
続けて光里は、目に涙を浮かべて言った。
「あれから3年間、ずっとあなたのことだけを想ってきたの! 葵くんのことが……今でも好きっ……!!」
光里の率直な想いだった。
それはもちろん、葵にもひしひしと伝わってくる。
「……そっか。とりあえず……」
突然机の上に肘をつくと、葵は両手を顔の前で合わせて頭を下げた。
「ほんっとにごめん!」
これには光里も驚き、その目をパチクリとさせている。
「光里と付き合ってた頃ってほんと俺、今以上に性に奔放だったっていうかさ……バカみたいに自制もきかなくて。でも、そのせいで光里のことを傷つけてたのは事実だから……ほんとに、ごめん」
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