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本格的な練習が幕を開けるのは、
推薦組と一般組とが集うミーティングで顧問の指示を受けてから。
「やることは分かるな？ 以上だ」
悶々とした現状をどうにか打破したい。
その一心だった白戸は、「何か言うことある奴いるか？」という
顧問の投げ掛けに続けて、徐に手を挙げた。
「何だ、白戸？ それは今、言わなきゃならねぇことか？」
底知れない圧が開きかけた口を力ずくで塞ぐ。
「え、いや……」
華奢な手はあれよあれよという間に下がっていき、
遂には腰元で縮こまってしまった。
不思議そうな空井の視線に、白戸はやるせなくなった。
「はい。では、気を抜かずに取り組むように」
顧問がパイプ椅子に座ると同時に、各部員がそれぞれの位置に着いた。
睨みを利かせた監視の目が一人残らず背中から突き刺し、
楔の如くその場に打ち付ける。
只ならぬ緊迫感を押し退けて、白戸は顧問に声を掛けた。
一度躊躇した発言を再び舌に乗せることほど、勇気の要る行為はない。
しかし、自分のできることを信じてやる空井の雄姿が脳裏に浮かんでは、
居ても立ってもいられなかった。
「先生……！」
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