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対策本部
ひとりの兵士がやって来て、女王に状況を報告している。
「大変です。上流のダムが決壊しました。下流の村にも被害の出る可能性が…。土石流の懸念も…」
隣にいるメイド姿の女性が言う。
「おかしいわね。あのダムはそんな柔な作りではないはず。まさか、どこかの誰かが意図的に破壊したんじゃないでしょうね?」
「ダムが決壊したことは事実だから仕方がないよ。これから、私たちがどうするかだね」
「スラちゃん、その通りです」
女王のスラちゃん、メイドのメドド、大魔王リポポ、勇者ロトトが緊急災害対策会議を開いていた。
「スラちゃん、事態は深刻です。ダムの決壊を止めないと下流域に甚大な損害が発生します」
「う~ん」
スラちゃんが悩んでいると、リポポが助け船を出す。
「ダムの決壊って、要は壁に大きな穴が空いているだけでしょ。私の知り合いで、その修理に最適の人物がいるの。すぐに直せると思うわ」
メドドは災害対策の検討を続ける。
「ダムの修理はリポポさまに任せるとして、この降水量が減らないと厳しい状況は続きます。局地的に雨が降りすぎて川の氾濫は時間の問題です」
「それも何とかなるかも。昔、母が住んでいた島を使えば、雨は止むわ」
「島!? リポポさま、それはどういうことですか?」
「天空に浮かぶ魔王城って感じかな。空にあるのだから、傘の代わりに使えるでしょ」
「確かに…。浮かんでいる島の傘ですか…」
「母に聞いてみるわね」
「よろしくお願いします」
これからスゴいことが起きそうな雰囲気である。
スライム女王はメドドに尋ねる。
「怪我人は出ていないのかな?」
「スラちゃん、怪我人の対処は聖女メルルさまにお願いしようと思います」
「メルルの得意分野だね!」
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