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エピローグ
スライム女王とメドドが話している。
「被害は食い止めたわね」
「雨も止んだようだし、そろそろ空に浮かんでいる島も移動してもらわないとなりません。これでは太陽が出ていてもこの国は日陰のままです」
「リポポさまに言っておくわ」
「リポポさまと言えば、さすが大魔王です。魔法が強力ですね。氷の湖と化したダム湖の氷は、全く溶ける気配がありません」
「せっかくだから、皆で滑りに行って来れば良いのよ」
「スケートですか。そうですね」
氷の世界に成り変わったダム湖。黒ちゃん、ゴーちゃん、ギガちゃん、ミノちゃんがダム湖に遊びに来た。ゾンちゃんとゴースちゃんは昼間が苦手らしく、今回は不参加である。
「黒ちゃん、氷はどうかな?」
「ゴーちゃん、冷たくて気持ちイイ~。生き返るわ!」
黒竜は氷の上でゴロゴロしている。刃物のような鱗で氷はゴリゴリと削られていた。大量にかき氷が作れそうだ。魔物たちはダム湖を存分に楽しんでいる。
「ミノちゃん、楽しかったね~。そろそろ帰ろうか?」
「そうだね。ギガちゃん、あそこに見えるのは何?」
「どこ?どこ?」
「あっちの岸の木の近くだよ」
「本当だ。何かあるね。すぐ側に行ってみよう」
岸に近づくと、そこには氷の塊があった。氷の内部には黒い服を着た人のような物が見える。これは何だろうか!?
「黒ちゃん、氷を溶かしてみようよ」
「オッケー、ゴーちゃん」
黒竜は青白い炎を軽~く軽く吐いた。だが、ゴォォォーとロケットが発射されるときのような炎が氷の塊に向けられる。
氷は一瞬でジョワーッと溶け…。いや、氷の中に閉じ込められていたモノまでも燃え尽きた。そのまま灰となり、霧のように空に消えていく。跡には何も残らなかった。
「ゴーちゃん、火力を間違えちゃった。テヘっ」
「もう、黒ちゃんはおっちょこちょいなんだから~」
「まあ、良いっか! 帰ろう」
爆弾を仕掛け、ダムを破壊した男は、リポポの魔法の巻き添えを食って氷像となった。幸運にもそれを見つけた魔物たちがいた。しかし、男は手違いによって灰となり、ひとり寂しく風と共に世界から消えていったのである。
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