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『祥子は、俺の言うこと聞けないの?』
ジーッと見つめる圭輔に、なぜだか少し恐怖心を覚えた。
『そ、そんなことないよ』
『だったら黙って抱かれろよ』
『で、でも…』
今夜は嫌…寛也さんがさっきまでいた部屋でしたくない。
それでも、圭輔は強引に私を押し倒し、荒々しく洋服を脱がせ、私の中にいきなり入ってきた。
『い、痛いよ。やめて』
『寛也も紗弓さんもお前のこと綺麗だって言ったけど、お前が綺麗でいられるのは誰のおかげ?』
圭輔らしくない言葉、私にはその真意がわからなかった。
何か試してる?
何も言わずにその行為はしばらく続き、私は全然気持ちよくないのに、圭輔は…
1人で果てた。
『もう寝る。今日は…祥子の誕生日、本当におめでとう。これからもよろしく…な』
そう言った圭輔の背中を見送りながら思った。
気づいてるはずはない、圭輔は自分が私を綺麗にしてるって、そう言いたかったんだよ。
きっとそう。
でもね、違うんだ…
私が女としてキラキラしていられるのは、寛也さんのおかげ。
あなたじゃ…ない。
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