384人が本棚に入れています
本棚に追加
『ホテルの部屋で飲むのもいいな』
圭輔が言う。
『本当に~こんな素敵な場所でみんなで飲めるなんて嬉しい。楽しみね、祥子さん』
新川さん、そんな無邪気に言わないでよ。
『…うん』
顔面蒼白になっているのが自分でもわかる。
食事を終え、レストランを出て部屋に向かった。
廊下を歩く間、緊張で汗が止まらない。
そして、寛也さんは立ち止まった。
今、カードキーで開けている部屋、それは紛れもなくいつもの部屋だった。
寛也さんと私だけの特別な場所。
なのにどうして?
中に入り奥まで進むと、当たり前のように見慣れたベッドが視界に入ってきた。
私は、この目の前のベッドでいつも寛也さんに抱かれてる。
何度もここで、私は寛也さんにイカされ、最高の瞬間を迎えてたんだ。
そんな恥ずかしい場所なのにどうして?
不信と疑問しかなくて動揺が隠せない。
最初のコメントを投稿しよう!