73人が本棚に入れています
本棚に追加
「さーせんしたー」
と俺は教師に頭を下げる。如月センパイは隣で立ってる。
「根本からお前が悪いわけじゃない事は承知した。」
と頷く教師。
「もう戻っていいぞ。遅くまでご苦労だー……、あと、整備委員の奴らには謝っておけ。有利に関しては泣き出したんだぞ。」
「へっ」
ユリ先輩そんなに俺を想って…!
「同室居なくなったら色々面倒じゃない!!って。」
…そーゆー感じかー…
そうして俺と如月センパイは職員室を後にした。
「まあ、高木も迷惑かけるなって事」
いつの間にか高木くんではなくなってるではないか。
「いやぁ〜ホントさーせん」
「まあ、別に俺は気にせんけど、有利先輩と神山クンにはちゃんとお礼言いなよ」
と俺の頭をぐしゃぐしゃ撫でて笑い、おやすみ、と居なくなった。……モテる理由がわかった気がする。俺じゃなきゃあの笑顔に落ちてたね。
俺は小走りで整備室に行った。
「有利せんぱっぅ、おぉ」
急に抱きついて来た。
「ど、ど、どうしたんすか…」
「あんたなんかが私に心配させてんじゃないわよ…」
と肩に顔を埋めて、背中を丸める。
「ご、ごめんなさい。探してくれてあざす…」
こ、こんなに…
「神山も、ありがとう」
「……知り合いでも、いなくなったら後味が悪かっただけだ」
と顔を背ける。耳がちょっと赤い。
「……先輩?」
「うっさいわよ」
と鼻を啜る。
「……先輩顔あげてください。俺超嬉しかったんで。2人が探してくれたって、聞いて。」
「……嬉しくなかったら殺すに決まってるでしょ…」
と顔を上げた。目は腫れぼったくて、鼻の先もちょっと赤い。
「……ふはっ、先輩俺の事大好きじゃん」
と俺は笑った。
最初のコメントを投稿しよう!