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食べ物が喉を通らない。
せっかく作ってくれたご飯の温かさも味も分からない。
いつにも増して米粒一つひとつが舌の上で目立っている。
そしてひと口、またひと口と運ぶ。
ご飯の重みがゆっくりと食道の壁を確かめるように伝い、胃に溜まる。
口に入っている時は分からなかった温かさも、
どうやら内臓だけは正直らしい。
そうして何とか食べ終えた。
最後に流し込んだ麦茶がとんでもなく喉越しがよくて、その時だけは気分がよかった。
しかし直ぐに喉奥と食道と胃の違和感が溜まっていることに気づく。
ただそれだけではないような不快感と苦しさが湧き上がってくる。
下瞼には生暖かい水分がたまっている。
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