月あかりのすみれの花と初恋と。

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朝、鳥の声で目を覚ました。昨日の夜は男の子が私をテントまで送ってくれた。テントに入ってもう一度振り向くと、そこに男の子の姿はなかった。名前を聞いておけばよかったと思ったけれど、また明日聞けばいいか、と思って目を閉じた。 目覚めたテントの中にはもう誰もいなかった。私はそうっとテントの外に顔を出した。 「遅いぞ~」佳奈がバナナを両手に一本ずつ持って笑っていた。
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