ミチシルベ

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目覚ましが鳴る外はまだ薄暗い、私はいつも朝日が昇る前に外へ出る。 家には居たくない、親に勉強しろと言われるからだ、大人は子どもの事より自分の都合を優先する。 「あなたは私たちの子なんだからいい学校へ行くのよ、そしてお医者さんになるの」 正直医者に興味は無いし他にもやりたい事がある。朝から勉強しろとうるさいので、早朝から勉強をすると言う名目で毎日とある場所へ足を運んでいる。 喫茶店である、しかもこの喫茶店はちょっと特殊で、深夜の二時から早朝の六時までしかやっていない店なのだ。 居酒屋とかBARでそんな仕様の所はあるが喫茶店では見たことが無かったため興味本位で入ってみたのだそれはもう私にピッタリな喫茶店だったことを覚えてる入店してすぐに、この店の常連になろうと決めた。 早朝四時、いつも通り人は一人もいない、いるのは喫茶店のマスターと私のみ、マスターはいつも私の愚痴を聞いてくれる、マスターだけが私の味方だった。 私はいつもモーニングセットを注文する パンとコーヒーとゆで卵というオーソドックスな組み合わせだ、これがまた美味しい特にコーヒーが美味しい、この店にいる時だけは勉強のことも親のことも全て忘れられる。 絶対に親だけの勝手な意思で私の進路を決められるのは嫌だから。 朝六時喫茶店が閉まる時間になった、私も家に帰らなければならない、また強制的に勉強されられる時間が始まる、「はぁ」とため息をつくと、マスターが無言でコーヒーを入れてくれた。私は「いいんですか?」と聞くと 無言で頷いた。そしてこう呟いた 「また明日も来たらいい」 私はコーヒーを飲み干してマスターに頭を下げた、明日も絶対に来よう、そう決意した。 店を出て学校へ向かう、今日も勉強三昧で最悪な気分になることだろう。けど絶対に親の反対を押し切って私はやりたい事を叶えるつもりだ、私のやりたい事それは 喫茶店のマスターだ
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