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第二章 いざ、実践
「え〜っと…、ここの穴は人差し指で…」
絶賛独学中。
持ち方を覚えるだけでも難しい。
しかも、楽器を渡して去っていってしまった先輩は当然の如く
この部屋にはいない。
どうなってるんだ、この部活。
「やっと持てた…はず。」
この作業をしてかかった時間は約5分。
……急に泣きたくなった。
「……〜〜っあ"ーもうっ!!!」
「なんなのよ、あの先輩っ!!なーにが『独学で〜』よ!!!
意味わかんないっ!!騙されたぁぁ!!」
心の叫びが出てしまった。
先輩に聞こえてなかったら良いけど。
「ま、どーせ先輩たちはギャーギャー話してるだろうし、
私の声なんて聞こえてないよね〜。だってさっきのお礼だって
耳に入ってなかったみたいだったs」
ガタッ
「マ゜ッッッ⁈⁈」
変な声が出た。
フラグ回収か?流石にめんどくさいぞ?
「……さっき叫んでたのお前?」
「…あ…?」
「あ?」
「えっ…と、まぁ、はい………?」
え、どなた?男子??
多分、先輩だろうけど…
「あんま叫ぶなよ。めっちゃ聞こえてたからな。」
「嘘っ?!」
「嘘。」
………。
「えぇ…?」
「じゃ、パー練戻るわ。じゃーな……あー、夏山だっけ?」
「あ、はい。お疲れ様でした。」
「まだ終わってねーよ…w」
そう言いながら先輩(?)は出ていった。
なんだったんだ、あの人。
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