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「あー、あの謎の先輩に時間削られた…。最悪…。」
急に現れて、風のように去っていったあの先輩を憎みながら
運指表と睨めっこしていた。
「ん〜…まずこの音吹くか…」
基本の音、「B(ベー)」を吹くことにした。
全ての指で運指表に書いてある通りの穴を塞いで
息を入れた。
ピィィィーーー
「ぅわっ?!」
なんだこの音。
絶対音違うよね…。
「も、もう一回…」
ピィーー
「うっ"…」
これ、あれだ。
調べた時にあった、「リードミス」ってやつだ。
リードミスする原因としては穴を塞ぎ切れていなかったり、息の入れ方だったりとかに問題があるらしい。
これに関しては、穴を塞ぎ切れていなかったのかな…。
今度はしっかり塞いで…
息を優しく入れる…。
♪〜
「……す」
「すっごぉぉぉっ!!!」
「え、待って!?すっごい綺麗に出たよね!?やったぁぁ!!
私って天才っ!?」
さっきのリードミスが嘘のように思えるくらい綺麗なBがでて
テンションが爆上がりだ。
思い知ったか!!先輩め!!
……といってもまだBが吹けただけ。到底、先輩には追いつけていない。
「絶対…絶対あの先輩たちを抜かしてやるっ!!」
私はそう決意した。
第二章 いざ、実践
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