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「一緒に、帰りましょう」 「は? あたしは死ぬんだから帰らないわよ。夏生くんひとりで帰りなよ」 「いやです。理香さんの大切な人は、あなたが死ぬことなんて望んでません」  いったいなにが不満なのか。  志信に愛されているのにどうしてその体を捨てようとするのか。  しかし、水子供養に参っていたことを思い出す。  あの日、志信の腕にしがみついていた理香は、つらそうな表情で震えているように見えた。  そのことが直接の理由だったにしてもそうでなかったとしても、自殺を考えるほどなのだ。彼女は精神的に不安定になっているのかもしれない。  そんなことを考えながら逃げられないよう握った手に力をこめると、理香はふっと体を弛緩させて笑った。
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