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「な、に?」 「まあ誰も悪くはないんだけどさ、俺ちょっとわかるんだよな、理香の気持ち」 「どういう、こと?」 「上村兄弟さ、仲良すぎだろ。夏生が俺に話しかける内容の、三分の一は昭彦だかんな。たぶん兄のほうも同じ」  理香が言っていた「いつもあたしたちの邪魔してる」というのは、昭兄の会話の中に出てくるオレのことをさしていたのかもしれない。  理香に嫌われている理由が、なんとなくわかった気がした。 「さっきも理香、死ぬとか言ってたろ? あれも昭彦にかまってほしいからなんだぜ。昭彦の携帯に今日中に来ないと22時に上村煙火の火薬庫燃やして死んでやるって、すげー具体的なメッセージ届いたらしいから。本気で死ぬ気じゃなかったんだよ」  どうやら昨日電話で、昭兄と理香はオレのことでなにかもめていたらしい。  なんだか話を聞いてると、理香に対して申し訳ない気持ちがムクムクとわいてくる。 「俺も夏生が昭彦の話ばっかするから、勘違いしてたけど」 「しのもオレが昭兄を好きだと、思ってたの?」 「ああ、だっておまえ昭彦の話するとき、顔真っ赤になるじゃん」  それはたぶん、志信にドキドキして赤くなってるのをごまかそうとして、関係のない昭兄の話をしてたのだと思うのだが。
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