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「夏生、エッロ」
「しのが、言えって」
恥ずかしいのを我慢して言ったのにこの仕打ち。
唇を尖らせていると、かわいいって言われてキスされて、そんな簡単なことでオレの怒りはしゅるしゅるしぼんでゆく。
大きくなった志信の先端が、オレのほぐされた入口にあてがわれる。
「息吐きな」
「ふ、…………、ぁあ……っ」
身体が志信に支配される。
入ってきたものを飲みこもうとする粘膜が、締めつけながら志信を奥へと導いてゆく。
「き、ついな」
全部おさまったところで、志信がつらそうに眉を寄せた。
緩めなきゃって思って下半身に意識を集中しても、初めての経験でうまく内部の収縮をコントロールできず、内ももが震えるだけだった。
おなかの中がいっぱいでもうなにも考えられない。
口を開けて浅い呼吸を繰り返してると、志信が汗で湿ったオレの髪にキスをする。
「夏生、痛い?」
「……くない」
志信のほうが、苦しそう。
手を伸ばして志信の頬を撫でると、安らかな表情で目が閉じられる。
愛おしいその顔を引き寄せ自ら口づけると、触れた志信の唇がふっと笑った気がした。
キスが深くなると、オレの内部に変化が起こる。うねりだした粘膜に、志信のものが押しだされ、また入ってくる。
「ゃ……、あ……っ!」
硬い先端が奥にぶつかると、唇が離れて声がもれる。
そうやってぬくぬくとゆらされ続けると、もうたまらなかった。何度も何度も奥を突かれて、頭の中がぽやんとピンク色に染まってく。
「夏生……、いきそう?」
「いっちゃうっ、よー……」
恐怖にも似た快感に怯えていると、志信が宙に浮いた右手を握りしめてくれた。
いっていいよ、って言われた気がして、オレは体感したことのない快楽に包まれながら、志信より少しだけさきに果てた。
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