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昇神の儀が終わり、神主により閉会が宣言された。
やっと終わった、暑い、早く涼みたい、とりあえず冷たいものを身体に入れないと。
寒さには、最強防具であるが現在はほつれまくりの毛糸のパーンツ様がある。(何故ほつれたかは、戦う巫女バイト3を参照)
しかし、暑さに対して私の防御力は皆無に等しい。すでに背中に貼っておいた冷え○タもドロドロに溶けて、爽快感どころか不快感を与えてきている。
巫女服を纏い、男性の目を集めている今、暑さに歪んだ表情を見せる訳にもいかず、かなり追い込まれている中、閉会の言葉は私に最後の力を与えてくれた。
「ふぅ~、生き返った」
目の前に、夏の象徴の一つかき氷。一口ごとに身体の中から冷却していく。まさに天国だ。スプーンがプラスチックではなく、竹で作ってあるので清涼感が増している。
「萌、口の端に練乳ついてる」
目の前にいる浅葱色の袴を履いた青年が声をかけてきた。
「うるさい、そんなことより私は今、身体を冷却することが重要なんだ」
「そんなんだから、彼氏できねぇんだよ」
この会話で分かるように、この浅葱色の袴の青年と私は恋人同士ではまったくない。
私、神代萌は巫女バイトをしている、もちろんそれは金のためと巫女服バイアスで私をよりかわゆく見せるためだ。
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