光り輝く湖のほとり

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「誤解するような事するなよ!! まったく!ひどい目にあった」 オルロフは、そのまま岸に戻ろうとした。 とにかく早くこのずぶぬれを、何とかしなくてはならない。 「もう、いいわ!指輪はあきらめる!」 オルロフはもう一度、振り返り声の主を見た。 金の髪の人はまだ、水の中に立っていた。 しかも水がしたたり落ちている。 オルロフとは視線を合わせず、横を向いて言った。 「・・ごめんなさい・・ あなたを巻き添えにしてしまって・・」 その姿は、華奢でまるで、湖に浮かぶ花の妖精のようだ。 はかなくて、抱きしめたら、花の香りでいっぱいになりそうな・・ オルロフは、その妖精に手を差し伸べた。 「水の中は滑る。危ない」 妖精はそっと手を乗せた。 そうしてオルロフが先に歩き、二人は何とか岸にたどりついた。
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