7人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
魔女の家
オルロフは妖精の手をもっと握っていたかったが、
妖精はすぐに振りほどき離した。
「そばに小屋があるの。
暖炉で服を乾かすわ。
あなたにも迷惑をかけたし」
妖精は、さっさと先を歩く。
少し歩くと小さな小屋が見えた。
「あなたはグスタフ皇国の人?」
「ああ、俺はオルロフだ。君の名前は?」
「エリーゼ。」
妖精は愛想がない。
「ここはどこなんだ?」
「魔女の国とのちょうど境目よ。
でも、今歩いている所は、魔女の領地」
「エリーゼ、君は魔女の国の住民なのか?」
妖精は小さな小屋の扉を開けた。
乾燥した薬草の香りがする。
そして暖かい。
「前はね・・でも、もうここから出て行くつもり・・」
妖精は、手早く戸棚からタオルやリネンを取り出し、
オルロフに押し付けるように渡した。
「そっちの部屋で着がえて。
毛布があるから、それをかぶってくればいいわ。
ここには男物の服はないの。
まぁ、すぐに乾くと思うけど」
そう言うと、地下につながる階段を降りて行った。
最初のコメントを投稿しよう!