魔女の家

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魔女の家

オルロフは妖精の手をもっと握っていたかったが、 妖精はすぐに振りほどき離した。 「そばに小屋があるの。 暖炉で服を乾かすわ。 あなたにも迷惑をかけたし」 妖精は、さっさと先を歩く。 少し歩くと小さな小屋が見えた。 「あなたはグスタフ皇国の人?」 「ああ、俺はオルロフだ。君の名前は?」 「エリーゼ。」 妖精は愛想がない。 「ここはどこなんだ?」 「魔女の国とのちょうど境目よ。 でも、今歩いている所は、魔女の領地」 「エリーゼ、君は魔女の国の住民なのか?」 妖精は小さな小屋の扉を開けた。 乾燥した薬草の香りがする。 そして暖かい。 「前はね・・でも、もうここから出て行くつもり・・」 妖精は、手早く戸棚からタオルやリネンを取り出し、 オルロフに押し付けるように渡した。 「そっちの部屋で着がえて。 毛布があるから、それをかぶってくればいいわ。 ここには男物の服はないの。 まぁ、すぐに乾くと思うけど」 そう言うと、地下につながる階段を降りて行った。
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