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結花が予想していたようにクスッと笑って、俺の隣に来てくれた。
横からキュッと俺の腕に抱き着いて、胸元から顔を覗き上げてくる。
…どこでそんなこと覚えてきたんだろ。かわいいな。
あと胸が腕に当たるの、ちょっとうれしすぎてまずいかも。
「じゃぁ…お留守番してる?
相手の人が元々沖縄の出身だから、式は向こうで上げて簡単に披露宴をして、東京に戻ってからは職場の人を中心に、もう一回お披露目パーティーみたいにするみたいだよ。
東京のパーティには家族はもう参加しないから、凌が行かないなら…私は三泊くらい、沖縄に行ってくるけど」
「行く! 絶対一緒に行く」
途中で思わず割り込んでしまった。
そんなおいしい旅行を、不意にするわけがない。
俺は昔っからサッカーしかしてなかったから、試合で行ったことのあるところ以外に旅行なんてしたことがない。
あとは学校で行った修学旅行くらい。
東京近郊は一通り遠征試合とかで行ったけど、グランドくらいしか見てないし。
あとは京都ならとか、インハイの応援で行った高知、城咲のある九州…くらい?
あと頂上決戦で行った北海道と大阪。
あ、これですべての島を制覇できるな。
結花がおかしそうに笑いながら離れていく…のを捕まえた。
「わ」
ひょいっと持ち上げて、まだ何も出していないシンクの作業台に腰かけさせてみた。
こうすると結花の目線が俺よりちょっと上になって、新鮮。
周囲に危ないものがないことを視界の端で確認しながら、そっと身体を近づけた。
「いつ頃?」
そう聞きながら、ちょっと魔が差して目の前の結花のブラウスのボタンをプチプチッと外してみる。俺としては十分満足してたから、本当に食事の用意をするつもりだったんだけど、結花が不用意に俺に近づきすぎるから。
情事の後って、なんとなく色っぽいし…さっき腕に触れた胸の感触が忘れられなくて思わず。
俺の腕を軽くつかんで止めながら、結花が教えてくれる。
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