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正直言って、俺の何がそこまで千里を怒らせたのか、全然わからなくて。
そうやって断られて初めて、自分が間違った道に足を踏み入れてるかもしれないことに気が付いた。
昔の俺だったら、めんどくさがってそのまま放置して…自然消滅したりさせてたのかもしれない。
でも、ちょっと想像してみただけでも、千里をなくすなんてありえないと思うんだ。
だからといって、じゃぁどうすればいいのかというと、全く何も思い浮かばない。
ここにきて、那奈の弟である俺に泣きついた木村さんの気持ちがちょっとわかったりして。結花にすがろうかと思ったんだけど、あいつを抜かしてそんなことをしたら絶対文句言われるだろうと迷ってたところに、連絡をもらった。
『今日何してる？』
ちなみに今日は、千里の高校のクラスの同窓会のはずだ。
そのことを教えてもらった頃は、うまくやれてたと思うんだ。
渡りに船としがみついた。
『ちょっと話聞いて。今日ヒマだろ？』
連絡が来るということは、あいつも一人にされて寂しがっているということだ。
…と思ったのに。
『え～、俺今から出待ちしに行くんだけど』
だって。
何だよそれ。
お前、そんなことするキャラじゃないだろう。
高校時代に何人の女子がお前に玉砕したか、知ってるのか？
俺は全部ちゃんと自分で断ったから、ある程度把握してるけど。お前なんか完全無視を貫いただろう。
女に興味ない方面の人じゃないのかとか、陰でうわさされてたのも…知らないんだろうな。
卒業してから二人でゆっくり会ったことは、数えるほどもない。
千里と結花と四人で動いてるときに、俺たちだけが取り残されてってことは何度かあったけど、そういう状況ではあんまり突っ込んだ話はしないし。
何より、今は俺の方が話を聞いてもらいたい。
…ということで、船に乗ることにする。
『…俺も行く。新宿だろ？』
大体の終了時間も場所も知ってる。
『２２時には着くから、じゃあ東口で』
と帰ってきたので、さっと支度をして家を出た。
一応話を聞いてくれるつもりはあるんだろう。
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