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七月一日 ヒメユリ(姫百合)
拝啓
お誕生日おめでとう
ひょっとこのお
めんを顔の前に持ってきて、すっとずらして笑う君。
浴衣姿はどこまでも可憐で去
りゆく川の流れを見つめる後ろ姿はかすかに白粉の匂いがした。
敬具
七月一日、
僕はその手紙に封をして机の中へとしまった。
僕の顔を見上げる君の可憐さに姫百合みつめ手折る一時
了
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