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「ごちそうさま」
お昼の社員食堂で、由紀子は両手を合わせて、丁寧に頭を下げた。
「可愛いじゃん、月山さん」
先日の出来事を、由紀子に報告したところだ。
「アオハル真っ最中の中高生もびっくりのエピソードだね」
由紀子はそう茶化すと、「だけどね、こころ」と身を乗り出した。
「月山さんのドキドキと、こころのドキドキって、ちょっと意味合いが違うよね。自分から告白しちゃったって分かってる?」
「え?」
こころはしばし、思考停止した。
「えーーー」
それから改めて、叫びなおしたのである。
「ま、いいじゃん。結果、オーライ」
由紀子の楽しそうなフォローは、こころの耳には届いていなかった。
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