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「これからは高桑家の一員でもあります。
妹ともども、よろしくお願いします」
その所作の美しさに英彦は見とれた。
だが、美那が姉を睨んでいる姿が目に入ると、調査書の文章が浮かんできた。
〝水野美那氏は、姉の佳織氏の所持品を自分のものとする性格で、激しい対抗心を抱いているようです。
さらには、後継問題でも不満を持っているように思われます〟
久敏は、自分の姉だけでなく、末娘にも好き勝手を許しているらしいと英彦は認識した。彼に対する評価はさらに下がっていった。
そして、両親が佳織を褒めたのに、彼女の母親が、美那はそれよりも格上だと言う姿を、英彦は皮肉な表情で見ていた。
お気に入りの娘の行動を知っているのかと、彼女に問いただしたくなる。
そんな中、佳織は会話が途切れたので、指を床につけたまま困った表情だ。
央司は黙って見ているだけで、まったく役に立たない。
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