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彼女が辞める主な原因は妹にある。美那は絶対に謝罪しないだろうから、その分を金銭で換算するしかない。
本人だけでなく、水野珈琲にも責任を取ってもらうしかない。
美那は将来の社長だから、水野珈琲にとっては関係者になる。慰謝料とは別に支払うのは当然だ。
「いいんですよ。
働けなくなるのは水野家に原因がある。その補償は金銭で換算するのが一番でしょう。
謝罪などで代えられても困りませんか?」
聞いた佳織が納得したように頷いた。彼女も、形だけの謝罪は望んでいないようだ。
佳織が署名捺印をしたので、英彦は、央司と美那へと視線を向けた。
まったく信頼がないと言われたのと同じだから不満だろうが、書類にしても守るか心配だから、作成しないという選択はなかった。
「央司と水野美那さんも早くサインと押印をしてもらいたい。
二人にとって悪くない条件と思うが」
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