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そんな感じで話をしていたら、お母さんが居間から出てきた。
「あ、王子!お忙しい中こちらによってくださりありがとうございます。娘からうちの野菜を食べていただけるとお聞きしたんですけど、本当なんですかね?」
「はい、頼んでみようと思っています。ここのお店の野菜はいつも美味しいと思っていたので。」
「じゃあ、うちの野菜どんなときに食べてくださってたんですか?」
気になって私が質問すると、王子は少し笑って答えてくれた。
「一週間に一度くらいしかないが、朝ごはんだけクロエが料理を担当することがある。そのときに、クロエは毎回ここの店の野菜を使うんだ。」
「そうだったんだ…」
私がクロエのを見るとクロエも笑いかけてくれた。
「本当にありがとうございます。もしうちの野菜を出すことができることになったら伝えてください、手続きに向かいます。」
「分かりました。楽しみです。」
その後はまた王子たちといろんな話をして、相変わらずクロエはカタコトだし、最終的には王子の指が二十コルを示す数になっちゃって。
もう、笑いが止まらなくて、この時間がずっと続いてほしいなって心のそこから思ってる。
空が暗くなって時間も遅いから、王子たちは帰ることになった。
紙袋を抱えて歩く二人を、私は見えなくなるまでずっと、ずっと見送った。
次あったときはもっと話ができるといいな。
今日はドキドキやワクワクがつまった眠りになった。
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