虚弱少女の生きる意味

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6  それ以来、私って雨は嫌いじゃないんですよ。いや、むしろ好きですね。今まで見慣れていた景色でも美しく見えるって分かったから。彼のお陰で私は前向きに生きようって思えるようになったんです!  で、それ以来、頻繁に会うようになって、私に生きるきっかけをくれた彼氏は今、私の隣に居ます! ……伊佐里くん、何、赤くなってるの? まぁ、いいや。  ともかく、虚弱少女の生きる意味は新しい世界を知りたいからっていうお話でした。今までに触れてなかった新しい景色を見てみたい。その為にこんな体でも精一杯生きようって思えたんです。でも、最初に見たあの雨粒。あれを超える景色には未だにお目にかかった事は無いな。いつか、あれ以上の感動を味わえる風景を見てみたいですね。  じゃあ、怪談話でなくて惚気話ですみませんが私のお話はこれでおしまい。あ、蝋燭を消すんでしたっけ?     そして、彼女は蝋燭を静かに吹き消した。
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