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「はじめまして、だよね? 今日は針漬ミカルコに会いに来てくれてありがとっ!」
弾む声。満面の笑みで彼女は俺を迎えてくれる。
「あ、あの……握手……いいですかっ!」
握手会なんだから、ダメなわけない。
だけど俺は、それ以外の言葉も出てこなかったから、しゃくり上げるような声で言った。
「もちろんっ!」
ミッ子の言葉に俺は安堵して、手を伸ばす。
ミッ子も、その白い小さな手を――。
カツン。
と画面に、俺の手がぶつかって、画面奥のミッ子の手と俺の手が触れる。
「今日は来てくれた本当にありがとうっ! これからもヴァーチャルアイドル針漬ミカルコをよろしくねっ!」
――ああ、今日はなんて良い日なんだ。
今日のドキドキを、俺は一生わすれないだろう。
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