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誘導員が到着してから間もなくして感染症対策チームが駆け付けた。
「中の状況はどうなってるの?」
「まだ確認中ですよ。一体どうなってるんですかね。」
座席には一人も乗っていない。それに静まりかえっている。何かがおかしい。嫌な感じだ。
管制員の情報によれば通信が途絶える前に何かに襲われたと話があった。何かとは何なのだろう?ハイジャックでもされたのか。それなのに何故、感染症対策チームが応援に?
「百瀬班長。ここみてください。座席に血痕が付いてるようにみえませんか?やっぱりテロリストの犯行では?」
「ええ、そうみたいね。でも見た感じだとこの少量の出血量なら死には至らない。パニックを起こした乗客が慌てて動いた際、怪我をしたのかもしれないわ。ねぇキミ、次はコックピットの様子を映して」
「は、はい!」
言われるがまま若手の誘導員はドローンをコックピットに向かわせる。
「!!!!」
「あの·····M752便って今フライトして来たんですよね·····?」
まだ着陸してから15分しか経っていないのにコックピットクルーたちのその姿は青白く痩せ細り、まるで死んでから1ヶ月は経っているかのような姿だった。
「·····」
誘導員の相良は黙ったままだった。
まるでこうなる事を知っていたかのような冷静さ。
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