プロローグ

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プロローグ

「とうとう、とうとう、私にも春が来たよぉっっっ!」 放課後の教室。 仲の良い優里亜と理真に報告。 私の心の中はうきうきのわくわくで、顔もにまにましてるのが自分でもわかった。 「春って、今はもう夏になろうっていうのに。」 あきれた顔して優里亜が冷静にそんなことを言ってくる。 「優里亜ー。もう少しもり上がって欲しい!」 「はぁ。何が春なの?」 優里亜はちっとも私のテンションに合わせる気はないらしく、むしろマイナス温度ではないかと思うくらいの無表情の低いテンションで返してくる。 そんな私と優里亜のやりとりを理真はにこにこと黙ってながめている。 「…………恋です。恋。私、とうとう恋、しちゃいましたぁ!!」 高らかに宣言した私。 驚いた風もなく、無表情のまま形だけの拍手をする優里亜。 目をキラキラさせながら私に抱きついてくる理真。 「梨子ちゃん!お相手は?」 「理真。熱しやすく冷めやすい梨子のことなんだから、そんなに本気に相手することないよ。」 「ちょっと優里亜、ひどくない??」  三人それぞれ思い思いに口を開きながら、私はとにかく楽しくて、初めての恋に浮かれていて。 でもこの時の私は知らなかったんだ。 本当の恋ってものが一体どんなものなのか。 
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