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ある日、美沙子が時々行く大型スーパーに行った時のことだ。
思いがけず買いすぎたと思いながら大型のカートを押して自分の車に戻ろうとしていると、後ろから声をかけられた。
「こんにちは〜」
美沙子が振り向くと、ごくごく普通の主婦、でも多分、会ったことはない女性が立っていた。
「は?」
美沙子が少しビックリした声で返事をすると、その女性は「ドリームジャンボリー宝くじが発売される、今日が初日なんです!1枚から購入できます。よろしかったら、1枚いかがでしょうか?」
パウチされたチラシを片手に近づいて来た。
何とも人を油断させるような普通の主婦の笑顔が人懐こい。
あ〜宝くじね、CMを見ていてたまには買ってみようかな?なんて思っていた美沙子。
でも、なかなか実行には移せないでいた。
いつものことだ。
いきなり、知らない女性に声掛けされたと言うこんなシチュエーションがもしかしたら福を呼んだりしてね?!
などと思ったり脳内に幸せホルモンを沸き立たせるじゃないか!と思った。
10枚それも小心者の、美沙子は当選金は少ないものの当たる確率の高いミニの方を買うことにした。
その声がけして来た女性は宝くじ売り場に雇われてランダムに…いや、人の良さそうなカモになりそうな主婦に声がけして買ってもらうパートだろう。
意外とやり手なのかも知れない。
宝くじを買うと、その女性はとても喜んで、美沙子がカートの返却に店に戻るのを途中で待っていて「やっておきますよ、ありがとうございました!」などと言いながらカートを受け取り、その場で美沙子を見送ると言う手厚いお礼の気持ちを表現してくれた。
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