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この主人公、美沙子という。
美沙子は専業主婦だ。
家事もそこそこ熟なし、嫁姑問題も命からがら傷だらけではあるが致命傷は免れて生きてこられた。
近所付き合いも得意のニコニコ顔でうまく立ち回ることができている。
美沙子は結婚して30年。
いつのまにやら60近くになっている。
美沙子がいつも疑問に思うのは40歳前後をアラフォーと呼び、50歳前後はアラフィフ、60歳前後はというと、「アラ還」と呼ぶことだ。
何故急に和と融合する呼び名なのだ?
美沙子は55歳なのだけれどもこの場合はどっちなんだ?と強く疑問に思って夜も眠れない。
60を数年後に控え、美沙子はいくつかの野望を持っている。
フィットネスに通い、ダブついたお腹周りをバッキバキに割ってシックスパックに仕上げ、旦那や友達のひれ伏すところをノンアルレモンサワーを飲みながら仰ぎ見るのが夢である。
絵画教室にも通いたい。
和菓子教室にも通いたい。
などなど夢だけはあるのだが、なかなか実践出来ない55歳の美沙子であった。
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