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「黒澤さんが、あの建物の対応方法も教えてくれた。暫く、この地竜の住処にする」
「黒澤さんは、優しいのか冷たいのか分からない人だ…………自分は心を探しているのかもしれないと言っていた……」
悪でも善でもなく、黒澤は存在してしまうのだ。
「まあ、生き物にしておけば、むしろ扱いやすい。人を食うなと言っておけばいいし、貢げば満足する」
「地竜は野菜が好き」
だから、野菜を供えておけば、それで満足するだろう。
「まあ、地竜がいるならば、いい案だ……でもさ、よく黒澤さんが地竜を取られて怒らなかったものだ」
「それは、俺も不思議だ」
すると、暫し塩家が考えこみ、電話を掛けて聞いていた。
「相手が竜だったから、仕方がないなと思ったそうだ」
「電話番号を知っていたのか…………」
黒澤は、人に竜を取られたのならば激怒したが、竜が竜を助けたので、自分が悪かったと思ったらしい。
「どういう論理?」
「まあ、そういう人だ。とても怖い」
それに竜が弱っていたので、そろそろ殺す時期だと思っていたという。
「竜が死んだ土地は、恵まれる」
「俺は竜じゃないから、殺すなよ」
黒澤という人間は、本当に関わってはいけない人のようだ。
「まあ、これで、この件は終了としたほうがいい」
「そうだな」
明日の帰りにでも、関本三号ビルに行って地竜を置いてこよう。
「あと、もう一人。祥太郎は何だ?」
「竜の加護を受けた家系だそうだ」
しかし、ハンマーを出す竜が何なのか、俺には検討もつかない。
「感じとしては、雷だな」
「ああ、うるさいからか」
すると、珍しく塩家が本気で笑っていた。
「まあ、ここは水の惑星。水竜が最強。そして最恐、最悪」
「竜、塩家を遠くに捨ててこい」
塩家は柱にしがみつくと、竜と睨み合っていた。

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