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「なんで今まで発見できなかったんだ?」
「ちょうど太陽の裏側に有ったからです!」
博士の質問に俺は自信満々に答えた。
宇宙探査機から送られる膨大なデータを分析した結果、太陽の真裏に我々の住む地球と寸分違わず全く同じ兄弟星が存在する事を俺は発見した。
その星は我々の地球と全く同じ公転軌道を全く同じ速度で周り、常に太陽の真裏側に存在した。だから誰も気付かなかったのだと思う。
「いや、地上からは見つけることが出来なかったとしても、今まで人類は探査機を何発も打ち上げて宇宙を探査してきたじゃないか?」
「不思議ですねえ、なんででしょう?」
博士の疑問に俺は疑問で答えた。
「まあいい、そんなことよりあの兄弟星の事を調べなければ。これは世紀の大発見だ。この事実を発表したら、わしの学会での地位はうなぎ登りだ、すぐに論文をまとめ上げるぞ」
「え?発見したのは僕ですよ」
博士の野望に俺は抗議した。学会での地位が低い博士は、俺の発見を利用して学会での地位を確保しようと考えているようだ。人の欲というのは怖いものだ。
翌日、俺は研究室を追放された。一介の研究員に出来ることは何も無かった。
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