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「私は急ぎバーグに会いたいのだが。
既に礼元が来ているらしい。この店に寄った様だ2、3日前に」
と真剣な顔で佐藤に言うと。佐藤は、
「もう礼元は、2日前からロスアラモスに現れてます。まだバーグとは話してないようですが。彼のハンバーガー屋で良く買っては、食ってますよ」
えっ?!堺田はおかしな事を、佐藤が言ったと認識してしまった。彼のハンバーガー屋?
「おい!バーグは、ハンバーガーを売っているのか?」
素直に聞こえた通りの意味で聞くと。
佐藤は運ばれて来たタコスを畳むと、口に入れ頷いた。
堺田は何だか狐につままれた気分だったが、自分の魚料理を口に含むと、マルガリータを飲んで流し込んだ。そして、ニヤニヤしながら。
「バーグらしい。あの男、本当食えない男だ。だが急いだ方が良いのでは?
私は服も買いたいぐらいだ、暑いのでな。
そうだ、私が買い物をしている間、腹ごしらえをしてくれ」
と立ち上がると。
「堺田さん、あっちは涼しいです。むしろ、夜は寒いくらいだ」
と言われて、静かに座った。佐藤は更に、
「ここから160キロ先にあるんです。
まあ、アメリカの大きさからすれば、大した距離じゃないが。歩いて行ける訳じゃないので。列車は朝と夕に集中しているので、車を調達しました。それで行きましょう。
私、朝から何も食ってないもので、もう少し食わしてください」
と言った。
「160キロ先か。時速100キロで1時間半か、焦っても仕方がないな。ところで、礼元は彼を何故、捕まえない?」
佐藤は2つ目のタコスを食べながら。
「我々が接触するのを待っているんでしょう、多分。他の組織も動いてます、北と中国、ロシアは特に情報集めのみですね。
まあ、時が来れば暗殺すりゃいいぐらいにしか、思っていないのでしょう。
アメリカもロシアを抑えていますからね」
「そうか、何とも薄氷を踏むが如くだな」
「ええ、全て我々、いや、あなた待ちの状態ですよ。真打ちはゆっくり登場しましょう。
今、公園のレイアウトから、メンバーの配置を決めてますから」
「おい、銃撃戦になるのか?!」
「分かりませんが、相手にとって暗殺。
バーグかあなたを殺せば、全て片が付きますから。尤も核兵器を造れる男。北も中国も欲しいかも知れませんね」
「成程‥‥‥」
堺田はマルガリータを飲み干した。すると店主が、
「お代りいるかい?」
と聞いてきたので、
「頼む。それとタコス1人前」
と言った。佐藤はニヤニヤして、
「そう、腹が減っては戦はできませんからね。
たらふく食っておきましょう」
と言った。堺田は少し緊張気味で、苦笑いを返した。
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