第9章・ロスアラモスに始まり・・・

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 その手の軍人、工作員上がりは沢山、世の中にいた。権力者の都合で秘密任務と言われ行った事が、国民の為に全く成っていない、仲間を助ける為にすらなっていない事が多いのだ。  軍人とは唯の駒として扱われるのに、我慢が出来なくなるのである。それは技術者のバーグとて同じ事であろう。  ふと、私は少し違う理由だがな、闇に身を投じたのは‥‥‥。堺田は酒で少し思考のタガが外れていて、過去を思い出していた。  そして、正義は我にありと心強く思うのであった。  男は前の席に座ると 「堺田さん、バーグはロスアラモスです」 と小声で言った。 (やはりな‥‥‥) 堺田は少し辺りを覗った。すると、 「大丈夫、ここは安全です。何せアメリカの メンバーと礼元のメンバーを除けば。 ここには本物の観光客と地元民とあなたしかいません。今、ロスアラモスに集結しています。 この客の入なら、あなたと私と地元民と店の者だけですよ」 と佐藤は言った。  辺りには既に食事を終え、堺田ともう一組、地元民と思える者達が、一人二人タコスを食べマルガリータを飲んでいた。  成程な。そんな事にも、気が回らなくなっていたのである。堺田は、フンと息を吐くと、 「では行こうか」 と立ち上がろうとすると佐藤は、   「1、2枚食べていいですか?腹減ってて」 と言った。にやりと笑う佐藤に少々苛ついたが、これも理由があるのかもなと思い。 「ああ‥‥‥」 と返事をした。  佐藤は器用にスペイン語で、店主に注文をした。しかもマルガリータまで。本当に、こんな余裕をかまして大丈夫なのか?  堺田は、流れに身を任せるしか無かった。
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