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その手の軍人、工作員上がりは沢山、世の中にいた。権力者の都合で秘密任務と言われ行った事が、国民の為に全く成っていない、仲間を助ける為にすらなっていない事が多いのだ。
軍人とは唯の駒として扱われるのに、我慢が出来なくなるのである。それは技術者のバーグとて同じ事であろう。
ふと、私は少し違う理由だがな、闇に身を投じたのは‥‥‥。堺田は酒で少し思考のタガが外れていて、過去を思い出していた。
そして、正義は我にありと心強く思うのであった。
男は前の席に座ると
「堺田さん、バーグはロスアラモスです」
と小声で言った。
(やはりな‥‥‥)
堺田は少し辺りを覗った。すると、
「大丈夫、ここは安全です。何せアメリカの
メンバーと礼元のメンバーを除けば。
ここには本物の観光客と地元民とあなたしかいません。今、ロスアラモスに集結しています。
この客の入なら、あなたと私と地元民と店の者だけですよ」
と佐藤は言った。
辺りには既に食事を終え、堺田ともう一組、地元民と思える者達が、一人二人タコスを食べマルガリータを飲んでいた。
成程な。そんな事にも、気が回らなくなっていたのである。堺田は、フンと息を吐くと、
「では行こうか」
と立ち上がろうとすると佐藤は、
「1、2枚食べていいですか?腹減ってて」
と言った。にやりと笑う佐藤に少々苛ついたが、これも理由があるのかもなと思い。
「ああ‥‥‥」
と返事をした。
佐藤は器用にスペイン語で、店主に注文をした。しかもマルガリータまで。本当に、こんな余裕をかまして大丈夫なのか?
堺田は、流れに身を任せるしか無かった。
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