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食事場の大きな扉をメイドに開けてもらったあと、まっすぐ進んで席につく。
家族はもう揃っていた。
長机を中心として席がズラリと並べられてるなか、一つだけ席の人が全員見られるような場所に大きな椅子がある。
そこに座っているのは、この国の王、そして俺の父親のルキイラ・グリフト。
その斜め右に座っているのが、俺の母親、ナイト・グリフト。
王の斜め左に座っているのは、ヨネ・グリフト。俺。
そして俺の隣に座っているのが、俺の妹のイラン・グリフト。
いつものように朝食が並べられる。
今日はトーストにスープらしい。
いつものように食べて、
いつものように片付けようとした、そのとき。
「皆に伝えたいことがある。」
父さんの声に振り向くと、母親と妹はさっき同じように食器を片付けようとしてたくせに、きっちり席に付いてしまっている。
まるで父さんが話す内容を知っているかのように満足そうな顔してるイランをみたら、なんだか嫌な予感がしてきた。
「実は昨日、メイド学校には通っていない庶民をメイドとして預かることにしたんだ。」
父さんがたんたんと喋っている間に食堂の扉から、見たことのないメイドがでてきた。
「おはようございます。本日からメイドをさせていただきます。クロエ・ナイリシアです。」
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