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この時間に人が来ることはめったに無い。不思議に思いながら扉を開けた。
「あ、こんばんは。」
扉の先にいたのは、今日の朝紹介されたメイドだった。
「王子にこれを。と王様からの伝言です。」
メイドの手元を見ると、チーズケーキがのったお皿があった。
「ありがとう。」
「では、失礼しました。」
メイドが去っていったあと、そのチーズケーキを一人で食べた。
食べながらさっきの出来事を思い返す。
やっぱりあの振る舞い方といい、メイド学校に通わずにできるものじゃない…はずだ。
もしも庶民の出じゃなかったとしたら何だ?
パッと頭に浮かんだのは、
――貴族?
いやいやいや、貴族だとしたらどうやってここに来たんだよ!
貴族は外に出ることさえメイドや執事と一緒じゃないと許されていないのに。
じゃあなんなんだよあの人ーー!
フォークで思い切りチーズケーキをさしたつもりだったが、的が外れてお皿に当たってしまった。
カサッ
んん?
変な音がして手元を見ると、紙切れがチーズケーキの下に入っていた。
勉強するのもいいけど、たまには息抜きしなさい 父
「勉強しろっていったのあんたじゃん……」
そう言いながらも、もっと頑張らないとっていう気持ちが湧いてきた。
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