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プロローグ
「占い部へようこそ! ことこと!」
中学校の第二会議室にすべり込むなり、ひらりとターンして身をひるがえし、親友の苺柑ちゃんは決めポーズをとった。頭のてっぺんのおだんごに飾った赤いシュシュまで堂々決まってる、けど。
「う、占い……部?!」
いきなり登場したものすごいワードに、驚くのをとおりこして、ちょっとびくついちゃったよ。
会議室とは名ばかりで、となりの美術室の物置と化しているその部屋の奥には人影がもう二つ、そろってかたまってる。机によりかかって立っているのは同じく親友の空和ちゃんで、机の一つにちょこんと座ってるのはやっぱり親友の氷菜ちゃん。
「そんな驚くかなー。小三のとき、四人で休み時間のたびにやってたじゃん。占い屋さんごっこ。あれの続きだよ」
なんてことないように言う苺柑ちゃんに、
「すみません、理解が追いつきません」
ストレートセミロングの髪を直角に下げて、くりっとした小さな目を閉じ、氷菜ちゃんが謝罪する。いやいやいや。
提案者の苺柑ちゃん以外、みんなそうだと思うよ?
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