従順な俺を壊して

第一章 鷹山高校

コンビニから学校までの間には俺の家があるが、態々上に上って朝ごはんを食べてからまた学校に来るのはどうも面倒だった。
だから早めに登校して学校で食べようと思ったのだ。

自分の教室へと来れば、数人の生徒がおり、大概は真面目な生徒だろうが、一番奥の机に突っ伏して寝ている生徒はそうではなさそうだった。

だが、そこで寝ている人物がどんな顔でどんな名前なのかも一度自己紹介されだけでは覚えれず、今ここの教室にいる人物は誰一人として思い出せない。

そのうち関わる機会が増え、覚えていくだろうと考えつつ自分の席に着き、携帯をつつきながら先ほどコンビニで買ってきたサンドイッチを頬張る。

それに俺の3つ斜め前に座っている生徒がちらりと視線をよこしたが、俺に対してあまりいい印象を持っている目ではなかった。

朝ご飯を学校で食べてはいけないだなんて校則はないが、ご飯は家で食べてくるものという固定概念がそのような目にさせたのだろう。
俺は然程周りの目を気にするタイプではないのでどうでもいいのだが。

「お、亀早いじゃん。てかここで飯かよ。家ちけぇのに。」

そう言いながら教室内に入ってきたのは京介であり、俺はそれに片手を上げつつ挨拶をする。

「昨日食材買いに行くの忘れてて朝ごはんなくてさ。コンビニ寄って来たんだ。」

「それなら昨日言ってくれりゃついて行ったのに。」

「完全に忘れてたんだよ。てか京介も結構早いね、来るの。」

「あぁ、俺んち親が家出んの早いから追い出されんだよ。ちびの相手忙しいからお前さっさと出て行けつって。」

「そうなんだ。じゃあ多田ももう来てるの？」

「そ。あいつは俺に付き合ってだけど。」

「ほんとに仲いいんだね。ずっと一緒にいるの？」

「まぁ大概？アイツは基本気づいたら隣にいっから。まぁクラスも離れたから流石に遊ぶのも減るかもしんねぇけど。付き合いあるだろうし。」

そんな話を適当にしつつ、ご飯を食べ終える頃には粗方の生徒が揃い、SHR中に数名が遅れて登校し、初めての授業は全員出席だった。