第一章 鷹山高校

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その施設から出る頃にはすっかり日は暮れ、少し肌寒い空気になっていた。 携帯を確認すれば既に19時を回っている。 「遊びすぎたな。すっかり暗くなっちまった。この時間からならどこ行けっかなぁ。」 「2人は帰らなくて大丈夫なの?親は心配しない?」 俺は一人暮らしのため何も気にすることはないが、2人は実家に住んでいる。 いくらこの近所に住んでいるからと言っても、親に帰ってこいと言われてもおかしくない時間である。 だが、俺の心配を他所に二人はおかしそうに笑った。 「お前ほんとにぼんぼんなんだな。帰るにはまだ早ぇよ。」 「それに、俺達の親は放任主義だから。友達の家に勝手に泊まって帰らなくても何も言われないよ。」 「そんなもんなの?大丈夫?」 「お前は何を心配してんだよ。お前が疲れたって言うなら解散するけど?」 「別にそういうわけじゃないけど。」 「ならいいじゃねぇか。ほら飯食いに行こうぜ。今日は遊んだしファミレスで安く済ますぞ。」 そう言って走り出すので俺はその後を大人しく追った。 薄々感じてはいたが、2人はきっと不良というものに分類されるのだろう。 京介の眉毛や2人の制服の着崩した感じを見るに間違いはない。 だからどうということはないのだが、こうやって遊びに連れ出してくれるのは俺としては願ったり叶ったりだった。 いつも自由に遊びたいと思っていた。 親の言いなりになってただ日常を過ごすことが苦痛だった。 家から出たかった。自由に、その世界を羽ばたきたかった。 遊び方を知らない俺に遊び方を教えてくれて感謝している。 その後はファミレスでただ話し込んでいた。 2人とはそれなりに親密な関係になれたように思う。 結局学生が居座れる22時までそこで話し込み、俺達は店側から追い出される形で店を後にした。 この時間になるとどこにも行ける場所がなくなるらしく、俺達は帰宅することとなった。
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