DrawLife

はじまりの日曜日

『今日は何する〜？』
朝9時過ぎ、今日は久しぶりの日曜日休み。
妻の葵はパジャマ姿のまま子供達とゴロゴロしながら今日の予定を聞いてくる。

『ん〜今日は俺ゾロ目の日だからパチ行きたいから葵の実家に子供連れて行ってきたらぁ？』

いつもの休日、我が家はこれがいつもの休日。

『ゆう〜、パパは仕事してくるから爺ちゃん婆ちゃんとこ行ってらっしゃいね〜』

5歳になる息子に少し愛想して父親は身支度を整え始める。

『そっかぁー、シンジはパチかぁ〜、頑張ってねー！　お小遣いくれるの楽しみにしてるわ！』

妻の葵は亭主の休日の過ごし方に寛大である。2人の息子はユウ5歳、トモ2歳。
亭主のシンジは決して子煩悩なタイプではなく子育てには関わってない。

『それじゃぁ、頑張ってね〜。』
『パパぁ〜、頑張ってね〜。』
家族みんなでパチンコ屋へ車で送迎、、、

これが我が家の休日。

-その日の夜-
『あー、惜しかったなぁー、あそこのフリーズ演出の当たりからもっと連チャンしたら勝てたんだけどなぁ〜』

『負けちゃったのかー、残念、残念』

休日の夜、シンジはパチンコに負けたが葵はとがめたりはしない。

『ねぇ、ねぇシンちゃん、今日ね実家の近くのあの太陽公園ってあそこの大きな公園行ってみたんだけどさー、あそこって自転車乗れるとこあってさ、知り合いのあの渡さんていたじゃん、あの人がユウに中古だけど自転車プレゼントしてくれたんだよ〜！』

『ジャジャジャーン！』

リビングの奥から葵は嬉しそうに自転車らしきものを出してきた。

『ん？何これ、カゴとかないし、スタンドもないじゃん。なんかタイヤ細いし、ブレーキ片方しかないじゃん。』

『フフフフ、ジャーン！これさ、BMX って自転車で空だって飛べるんだって〜♪今日さ、そこにそのコースあって少し見たんだけどさー、凄いんだよー。ねぇ、シンちゃん次の休みは一緒にその公園行ってくれない？』

『空？飛べる❓訳わかんないな（苦笑）、パチンコ負けたし、ヨシ！次の休み行ってみっかな、その公園。』

何気ない我が家の休日の終わり。
すべての始まりの日曜日。