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それから。
どのくらいの時間が経ったのだろう?
急に、
「ねぇねぇ、あなたのお名前は?」
私に声をかけているの…?
一瞬、その子が誰に話しかけているのかわからなかった。
え?
その子は、私に声をかけていた。
いきなり声をかけられて、驚く私。
私に声をかけてくれたその女の子は。
ロングヘアでお嬢様みたいに可愛くて、とても人なつっこそうな女の子。
やっと私に声をかけられているのを実感した私は。
口を開いた。
「あ。妃春美です」
「春美?可愛い名前だね。私は工藤冬実です。春美ちゃんの前の席みたいだからよろしくね‼」
「あ、こちらこそよろしくね」
高校になって初めて声をかけてくれた、工藤冬実ちゃん。
私の不安を振り払ってくれてるような、笑顔。
内心驚いた面もあるけど、嬉しいな。
冬実ちゃんとは、かけがえのない友達になれそう。
この時私は、そんな予感がしてた。
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