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「また気持ちよくなったのか? こんなに濡らして」
真っ赤になった杏に視線を落としたまま、意地悪な笑みを向ける。しかもその台詞は、杏を困らせて楽しんでいるとしか言いようがない。大知の意外な一面だ。
「やっ、待って……これ以上は……」
「はしたなくなんかないよ。杏の感じてる顔、すごくそそられた。もっとみせて」
「ああっ……ンッ」
その言葉に後、覚えたての体は、あっさりと深い快楽へと落ちてしまった。頭は真っ白になり、自分の体なのに、自分のものではないかのような感覚に陥った。
平日の早朝から、こんな濃密な時間を過ごすことになるなんて、想像もしなかった。
次に目が覚めた時には、コーヒーのいい香りが部屋に漂っていた。
気怠い体を起こし、キッチンへ行くと、大知が朝食を用意してくれていた。時刻は七時半。どうやら二度寝してしまったらしい。
「すみません、大知さん。手伝います」
「もっとゆっくりしてればいいのに」
「いえ。大丈夫です」
朝からあんなことをしたというのに、大知はあっさりとしたものだ。これが経験の差というやつなのだろう。
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