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石には中央に向かっていくつもの線が入っていて、中央には丸い月のようなも見えるものがある。これは誰が作ったものなのだろう?見たこともない石でできている。町のみんなに聞いてみようか。いや、まずは先生にきいたほうがいいだろう。
「キヨ、聞いているか?」
石に夢中になっていたのに気づいていたみたいだ。先生に注意される前にすかさず聞く。
「先生この模様は何ですか?」
先生は硬い表情で答えた。
「いいか、これから知りたいことは自分の力で手に入れるんだ。お前はそのための知識を学んだんだ。」
いつもの先生ならば必要な答えをどんなことでも教えてくれていた。だがこれからは違うらしい。ここでやってきたことはそれほど大事なことなのだろうか?
「わかりました。自分で調べます。」
仕方がない、ここに答えがあるということがわかっているのだしこれからゆっくり調べてみよう。静かにポケットへ落した。
「では、今日はこれで以上だ。それと同時に私の生徒から卒業になる。」
先生の表情がさっきよりも柔らかくなった気がした、僕はいつか先生の笑った顔を見てみたいと思う。その答えもここにある気がした。
「今までたくさん教えていただきありがとうございました!」
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