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「申し訳なかったです、返事がなかった段階です外で待つべきでした。」
怒っているのか、驚いているのか、悲しんでいるのか、先生の顔からは何も感じ取れない。
「まず言いたいことは、話を聞きなさいということだ。」
「はい」
「合格を伝えた時私がなんて言ったか覚えているか?」
全く心当たりがなかった。あの時は石に夢中になっていて覚えていない。
「覚えてないです。」
「私が話をしていたことは覚えているか?」
「はい」
当然だ、意識だけが遠くにあり体はそこにあったのだから。
「では、なぜ話を聞いていないことをその時解決しなかった。」
反論は何もない。先生の言う通りだ。
「おっしゃる通りです。」
「お前ももう十三だろ。これからも仕事を続けていくのならその癖は直しなさい。」
「はい」
「…もう一度言う。」
それからは先生の話を一言も聞き逃さないよう集中した。
「わかりました。手間をとらせてしまって申し訳ありません。」
「以上だ。何か質問はあるか?」
「そうでした。ここに少しの間荷物を置かせていただけないかと思っていたんです。」
そう言って入口に置かれた荷物を指差した。
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