幸せな世界

はじまり

　売買の方法はまず買い手側が欲しいものを指す、売り手が同意するとお互い手を合わせ買い手側から「幸せ」が支払われる。この際売り手側は必要以上にもらうことはできず、買い手も誤魔化し少なく支払うことはできない。例えば売り手が10といい買い手が同意した時点で物の価値は10に決まる。そうして支払いと商品の受け渡しがされこれが売買の形になる。今回だとジュンさんが僕の時間と行動を指定し報酬を用意した、僕はそれに同意し指定のものを渡したため売買が成立したことになる。

報酬の支払いが終わりランタンを片手に母屋に向かいながらジュンさんが言った。
　「それも忘れずにな。」
　売り物にならない小ぶりの野菜たちだ。
　今日は月がたくさん欠けている。明かりがあるうちに帰らなくては。
　「ありがとうございます。おやすみなさい。」
　野菜を鞄に詰め込んで家に帰ろう。