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「トウジ……!」
「目が覚めたのか……!」
トウジが走り寄り、倒れかけるオフィーリアの身体を抱き締める形で受け止める。
それでようやく「動いて大丈夫」と理解したのか、まずアニーがアンダーテイカーへと駆け寄った。
それを見たシェイカーとディアスブレイドも、怪我の治療をしようと走る。
「トウジ、済まんかった。今回はめっちゃ迷惑かけてもた」
大きな胸に顔を埋めながら謝罪の言葉を発したオフィーリアの背中を、優しい手付きで撫でてやりながら、トウジが言った。
「お前が悪い訳じゃあない。謝るな。俺はもう、怒ってはいないから」
もう大丈夫だと、トウジの肩越しにオフィーリアが見たのは、激しい息遣いでいながらも、こちらを睨むアンダーテイカーの赤い瞳だ。
そんなアンダーテイカーに、憤った様子のアニーが涙ながらに平手打ちを喰らわせた。
乾いた音が辺りに響く中で、オフィーリア、トウジ、ラキ以外の呆気に取られた面々をしりめに、アニーが叫ぶ。
「ヴァンの……馬鹿ぁ! あの二人にあそこまでさせて、そんな態度なんて、本当に何も気付けていないじゃない……!」
「アニー……?」
アンダーテイカーにも思うところはあるのだろうが、初めてに近いアニーからの説教に、頬を押さえて見詰めるばかりだ。
そんなアンダーテイカーを睨み返し、今までトウジが放っていたものなど、ものともしないレベルでの殺気を向けたオフィーリアが放つ。
「良ぇ加減にせぇよ、ヴァン。今回トウジが大人しゅう退いたん、アニーと俺の顔に免じての事なだけやさかいにな。……もしまた、今度同じ事やってみぃ。俺が息の根止めたるさかい、覚悟しとけ」
そうしてオフィーリアは、トウジから離れて自力で立つ。
「……アニー、行くで。今度こそ家まで送ったる」
アニーも立ち上がり、俯いて無言のままオフィーリアの隣にまで移動する。
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