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六月の雨が日常を蒸し返して久し振りに晴れた日、私は公園の空からいているベンチに座った。
誰かを待つとか、何かの予定があるからとか、いずれの時間潰しでもなく、心が疲れたからとかまぁそんな理由でも良いかもしれない。でも何となく座っただけだった。
これからどうするとかは何か考えているつもりだけど、直ぐに実行に移せる訳じゃない。移したとしてもきっと何もかも先行きは不透明だと思う。
カタカタ、カタカタ、カタカタって音が聞こえた気がして、音のした方を振り向いた。
自分なんかより大きな大きな樹がワサワサ、ワサワサ、ワサワサってただ風に揺れてて、全く当て嵌まる様な音の正体は結局のところ見つけられなかった。
私から遠く離れてる場所にあるから特に考えもしなかったけど、公園に建物があるとしたら公衆トイレくらいだし、風でトイレの窓とかが音を立ててたのなら、自分の耳は随分と調子の良い事だ。
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