伝わる思い

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そしていよいよ今日は24日 午前中取材と午後は簡単な撮影、十分待ち合わせに間に合うように調整できた。 滞りなく午後の撮影も終盤を迎えていた。 時計を見ると16時で早く早くと気持ちを抑えて最終確認をして、挨拶を終えスタジオを飛び出した。 「17時…早すぎた……」 とりあえず店内に入り着いたことをLINEし、飲み物を注文して外の人通りをぼーっと眺めていた。 (約束の時間まで長いなぁ…) 真那からの連絡もなく、事故にでもあったのかと不安になりはじめた時、ガラスをコンコンと叩く音がして振り返ると、そこには寒いなか頬を真っ赤にし白い息をはきながら満面の笑みで手を振る真那がいた。 急いで会計を済ませ、真那の元に駆け寄ると声を発する前に真那を抱きしめた。 普段の俺からは想像のつかない行動に真那も慌てていたが、ゆっくりと背中に手を回した。 「真那…会いたかった。」 「苦しっ…でも私も会いたかった真哉…」 俺は真那からゆっくりと体を離し、真那の存在を確かめるようにそっと頬を撫でた…。
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