ヤクザだけど高級ホテルの支配人になります

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「あ、あの!」 部屋着を脱ぎかけた彼に声をかけて、思わず赤面する。 「わぁ、お着替えしていいよ!」 「もうたくさん俺の裸見てるのに、まだ恥ずかしいの?」 ニヤニヤしながら上裸の彼は、私を壁に追い詰めてくる。 「なんでこっちくるのー?!」 「えっちな顔してたから?」 「してないよ?!」 「そう?めっちゃ見てたくせに〜」 図星だったから言い返せなくて、思わず口元を結ぶ。 「まだ野木くんが隣にいるのが不思議なんだもん」 程よくついた筋肉は私好みである。 イラスト的に描きやすそう、、、と思ってごめん。 上裸は何度か見ているが、ベッド上ではない彼の上裸は女の子を虜にするような魅惑的なエロさを備えている。 まだキスマーク消えてないところがチラホラあるのは、頂けないけど。 ムッとしていると、彼はそれを察したのか、所謂壁ドンみたいに彼の両腕が私の逃げ道を塞いでいた。 「キスマーク乙葉もつけていーよ」 「つ、けかたわかんないもん」 ぷはっと笑うと、耳元で彼の声がそっと囁いてくる。 「強く吸って」 低い声が心地よく耳朶に響いて、鼓膜がゾクゾクと震えているのがわかる。 耳が弱いのを知ってわざとされているのだと理解する。 「意地悪してるでしょ」 彼の肌を直視しないように顔を背けると、彼の左手が私の右手を掴んで、胸元に手を当ててくる。 「乙葉の好きなところに、たくさん付けてほしいな」 肌に吸い付くようなしっとりとしたあたたかな温もりと、トクントクンと波打つような音が聞こえてくる。 自分の心臓の音なのか、彼の心臓の音なのかわからなくなりそうだ。 「そうやって他の子にも言ったの?」 「言うわけないよ」 「何を根拠に信じればいいの?」 「電話帳やSNSみてもいーよ。女の子とやり取りなんかしたことないから」 ポケットからスマホを取り出し、顔認証でロック解除すると、彼は私の手のひらにスマホをポンと置いた。 「昨日消したとかじゃなくて?」 「違うよ笑」 じゃあ何故あんなにもホテルの部屋に女の子がいるのよ。なんてムッとしていると、彼は愛しむ眼差しをこちらに向けて言う。 「抱えてる風俗たちだよ。あとはよくわかんないけど、クソ親父(じじい)が勝手に部屋に呼ぶどっかの令嬢じゃないかな」 「抱えてる?」 ジトっとした目で彼を睨むと、シノギとしてる風俗嬢だよと笑う。セックスフレンドみたいのもいるけど、よくわかんい令嬢たちが勘違いしてこうやって競うようにキスマークつけていくんだと言われる。 なんか、ますますムカついた。 「それって縁談の子なんじゃないの?!」 「多分?」 あっけらかんとした顔をで言うから、頬が膨らんでしまう。 その表情をみて、彼は嬉しそうに口角を引いた。 「ごめんね?」 「悪いと思ってる顔じゃないんですけど」 「思ってるよ」 「じゃあなんでそんな嬉しそうなの?」 「嫉妬してる乙葉が可愛いから。 昨日渡してくれたプレゼントの“意味”を理解してるのかなー?って考えると、ニヤけが止まらないんだよ」 ???プレゼントの意味?? 首を傾げていると、彼は意地悪く瞳を細めて囁いた。 「腕時計もネクタイやタイピン、靴下とか全部意味があるの知らない?」 え、そうなの?! 首を横に振ると、彼はやっぱりと悪い顔をして笑った。 「“貴方は私のもの”っていう、女性から男性にプレゼントする時の隠されたメッセージなんだよ」 かなり束縛的なメッセージのあるプレゼントだと思うなーと笑いながらいうので、開いた口が塞がらない。 「そ、そう言う意味じゃ!!」 ぶわっと噴き出す変な汗と紅潮する顔を見て、彼は嬉しそうにキスをせがんでくる。 「キスマークも束縛的なものだよ?いーの?俺は束縛されるの嫌いじゃないし、乙葉に束縛されるなら本望ってところだけど」 俺が参るくらいに束縛されたいなーと唇を差し出されて、目の前がクラクラした。 恥ずかしくて死にそうだったが、そっと唇を重ねる。 「束縛とか、、、私そんな風に思ってるのかな」 ちゅっと音を立てて唇を離すと、彼は舌舐めずりをして、口角をペロリと舐めてくる。 「俺はガチガチに束縛したい方だよ? いつか前に言ったみたいに、乙葉のこと部屋に閉じ込めて、どろっどろになるまで愛し尽くしたいって今も思ってるくらい。 ご飯も俺が食べさせてあげたいし、お風呂もトイレもずっと一緒にいたい。 俺無しじゃ生きていけないーって思うくらいに甘やかして、俺が乙葉のこと開発しまくりたいんだけど」 カッコイイ顔してとんでもないことを言ってる自覚はあるのだろうか!? 「こ、拗らせてませんか?!」 「だいぶね笑」 唇だけではとどまらず、耳や首筋にキスが流れていくので、このままでは食べられてしまう!!と危機感を抱く。 「あ、やめ、まだ血が止まってないから」 「ん、愛でてるだけだから、慣れて」 慣れないよぉぉぉ!!!? くすぐったさと、変な気分とで戦っていると、彼は満足そうに体を離した。 「キスマークそのうちしてくれるの待ってるね」 妖艶な笑みを浮かべて、彼は洋服を着替えにベッドの方へ向かった。 「、、、、、、」 「あ、お家デートにする?」 このままキスマーク待ちでもいいなーとウキウキした声が聞こえてきて、「映画!映画館行きたい!!」と声を上げたのだった。
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